伝説の投資家ウォーレンバフェットが保有する銘柄はみんな知りたいと思いますし、投資したいと思います。
でも、個人投資家でも買いやすく、高いリターンを得るために有利な投資手段が、
「伝説の投資家ウォーレンバフェットになってしまった後のバフェットの手法」ではなく
「バフェットになる前のバフェットの投資手法」の方だったとしたら....
当然、その方法を知りたいですよね?
機関投資家にとっての「分散」と、個人にとっての「分散」は別物
ニュースでよく取り上げられる銘柄には以下のような特徴があります。
- 時価総額の大きい大型株
- 世界的ブランド
- 誰でも知っている企業
機関投資家(ファンド、年金、保険会社など)の資金は巨大なので、
- 小型株を大量に買うと自分たちで株価を押し上げてしまう
- いざ売りたいときに売り切れない(流動性リスク)
といった理由から、どうしても「大きくて流動性の高い銘柄」に集中せざるを得ません。
そのうえで、彼らは
- 業種ごと
- 地域ごと
- スタイルごと(グロース/バリューなど)
に分散させて、一つの失敗で運用全体が吹き飛ばないようにしているわけです。
ここで大事なのは、
彼らが大型株を好んでいるというより、
「大型株しか実質的に扱えない規模になってしまっている」
という事実です。
個人投資家は、ここで同じルールをそのまま真似する必要はありません。
バフェットが本当に一番儲けた時期は「小さくて地味な株を買っていた頃」
ウォーレン・バフェットが今保有しているのは、
- 誰でも知っている超大型企業
- アメリカ経済のど真ん中にいるような会社
が多いです。
ただし、これは「大企業が大好きだから」ではなく、
そもそも資産規模が大きすぎて、
小型株には入れないから
という、構造的な制約によるものです。
バフェットが本当に高いリターンを出していたのは、
- 運用資金がまだ小さかった頃
- ほとんど誰も見ていない小型株
- 派手さゼロの地味なビジネス
に、じっくり腰を据えて投資していた時期です。
樽や工業用コンテナを扱う会社、
地図出版会社、ハードウェア卸売業者など、
- 「ニュース映えしない」
- 「ウォール街が退屈だと感じる」
ような企業ばかりでした。
それでもバフェットは、
- 実在する資産
- 需要の安定性
- キャッシュフロー
- 経営陣の資本配分のセンス
を丹念に調べ、
価格と価値のギャップが大きい銘柄に集中して資金を入れていたのです。
つまり、個人投資家が学ぶべきなのは、
「バフェットになってしまった後のバフェット」ではなく
「バフェットになる前のバフェット」
の方です。
個人投資家のいちばんの武器は「小ささ」と「待てること」
機関投資家と違い、個人投資家にはこんな強みがあります。
- 数十億〜数百億を動かす必要がない
- 小型株を買っても、自分の売買で株価を動かしにくい
- 注目されていない地味な銘柄も、平気でポートフォリオの主力にできる
- 決算や四半期ごとの成績プレッシャーがないので、「時間を味方につけて待つ」ことができる
つまり、
小さいからこそ、
「大資本が入れない場所」に先回りして座れる
というのが、個人投資家だけが持てるポジションです。
ここで効いてくるのが、
- わざわざ割高な人気大型株を追いかける必要はない
- 自分が理解できる、小さくて静かな優良企業を選べばいい
という発想です。
「割高株を買う必要がない」のは、シンプルにリスクが高いから
個人投資家が、あえて割高株を買わなくていい理由はとてもシンプルです。
- 割高な株 =「期待が先行している状態」
- 良いニュースにはすでに織り込まれている
- ちょっとした失望で大きく下げやすい
つまり、
上値の余地よりも、「期待が剥がれたときの下値リスク」の方が大きくなりやすい
というバランスになっています。
個人投資家は、
- 年金基金のように「どうしても市場全体に乗らないといけない」立場ではない
- 「今このタイミングで無理やり投資しないと困る」という事情もない
ので、
「無理に高いものを買わなくていい」
「わかるものが割安になったときに、集中的に買えばいい」
という選択ができます。
これは、個人だけに許されたぜいたくです。
「集中投資してもいい条件」と「やってはいけない集中」
では、事業の成長に確信が持てるなら、
集中投資しても問題ないのか?
ここは重要なので、このブログでは何度も書いていることですが、改めて整理しておきます。
集中投資が合理的になる条件
個人的に、少なくともこのあたりは満たしておきたいラインです。
- 生活防衛資金は、完全に別に確保している
→ 投資がどうなっても、生活が壊れない - その企業のビジネスモデル・リスク・競合を、自分の言葉で説明できる
→ 「なんとなく伸びそう」ではなく、「なぜ伸びるか」を理解している - 現在の株価が、事業価値から見て明らかに割高ではない
→ 完璧な割安でなくてもいいが、「高すぎる賭け」ではない - 一つの銘柄が半分になっても、あなたの人生が詰まないポジションサイズ
→ 口座は痛むかもしれないが、生活・将来計画は継続できる
この条件を満たしている範囲での「集中」は、
分散を捨てるのではなく、
「理解できる範囲に分散を絞り込む」
イメージに近いです。
やってはいけない集中
逆に、これはただのギャンブルです。
- 生活費まで突っ込んで、一銘柄にオールイン
- 事業内容もよく知らないが、SNSやニュースで話題だから重ねる
- 「上がり始めたから、今からでも全部乗せで間に合うはず」と期待で集中
これは、「分散か集中か」という以前に、
ポートフォリオ全体=自分の人生のリスク管理が崩れている
状態です。
「分散しろ」「安心できる大手に投資しろ」と本質的に同じところ
一見、
- 分散しろ
- 大手・有名企業に投資しろ
というアドバイスと、
- 割高な人気銘柄は避けていい
- 小さくて地味な企業に集中してもよい
という話は、矛盾しているように見えます。
ただ、本質はそこまで違いません。
両者とも、目指しているのは
「一発退場を避けながら、時間を味方につけて資産を増やす」
ことです。
- 大手分散派は
→ 事業が潰れにくい企業をたくさん持つことで、倒産リスクを薄めようとする - 小型集中派は
→ 事業・財務・価格を精査したうえで、「潰れにくく、伸びしろのある企業」に厚く張る
やり方は違って見えても、
- 「破綻しにくいビジネスを選ぶ」
- 「一発で終わらないようにリスクを管理する」
という核は同じです。
個人投資家は、
- 生活防衛資金を守るという意味では「分散」
- 投資リターンを高めるという意味では「理解した銘柄への集中」
という二つのレイヤーを持つのが、
いちばん合理的な落としどころになります。
個人投資家が真似すべきは「今のバフェット」ではなく「昔のバフェット」
最後に、要点だけ短くまとめるとこうなります。
- 個人投資家は、割高な人気大型株をわざわざ買う必要はない
- 資産が小さいからこそ、「大資本が入れない小型株」という舞台を選べる
- 事業の成長に確信が持て、かつポートフォリオ全体のリスク管理ができているなら、集中投資は合理的な選択肢
- 「分散しろ」「安心できる大手に投資しろ」というアドバイスも、本質は「破綻しない構造をつくれ」という話であり、個人の集中投資と目的は同じ
- 真似すべきは、大型株を買っている「今のバフェット」ではなく、地味な小型株を丁寧に拾っていた「昔のバフェット」の姿勢
小さい資金だからこそできることがあり、
それは決して「プロの劣化コピー」ではありません。
- 無理に人気銘柄を追わないこと
- 自分が理解できる、静かな優良企業を選ぶこと
- 生活とポートフォリオのリスクを分けて設計すること
この三つを押さえておけば、
「分散」も「集中」も、矛盾ではなく役割分担として扱えるようになります。